「苦海浄土」 石牟礼 道子・著 あらすじ
工場廃水の水銀が引き起こした文明の病・水俣病。この地に育った著者は、患者とその家族の苦しみを自らのものとして、壮絶かつ清冽な記録を綴った。
本作は、世に出て三十数年を経たいまなお、極限状況にあっても輝きを失わない人間の尊厳を訴えてやまない。末永く読み継がれるべき“いのちの文学”の新装版。
投稿者 はしも さん(東京都)
水俣病事件を告発する衝撃の一冊。「わたくし」の視点で語られる水俣は、生き地獄そのもの。社会の暗部を描き出し、近代社会とは?産業化とは?と考えさせられる。
一方で、人間の強さや希望、水俣本来の豊かな暮らしなども垣間見せ、モヤモヤしながらもひきこまれていく。水俣言葉で語られる詩のようなことばを追っていくと、頭の中でスペクタクルが次々と場面を変えて繰り広げられ、最後まで止まらなくなる。
谷原店長のコメント
今やっている舞台「民衆の敵」も公害を背景にしたもの。とても興味があります。