がんになって見えたこと
写真家で元狩猟家でもある著者は、34歳で難治性のがんと診断されます。
当初は激痛で自殺すら考えたものの、思いとどまれたのは、緩和ケアの医療者たちの存在、妻と幼い息子への思い、そして狩猟経験で命の重さを知っていたからでした。
やがてブログでがんを公表すると、がん患者に限らず、生きづらさを感じる多くの人たちから反応が。著者は彼らを訪ねて取材を始めます。そして、生きづらさの根底には家族関係があると気づき、自分の人生を生きるために「家族は、選ぶことができる」ということにたどり着きます。
よく生きる=死ぬために、自らの家族関係にも言及し、家族、医療、安楽死に至るまで、やさしく力強い言葉で思いを巡らせます。
定価1500円+税 ポプラ社 03・5877・8101