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過去の行方不明者に報いる本格警察小説の連作短編集 本城雅人「穴掘り」

著・本城雅人

 野に放たれた殺人者の罪を明らかにするのが本書の主人公・信楽巡査部長の仕事。年間9万件にも上る行方不明者届のうち、97%は1年以内に見つかるものの、残り3%、およそ3000人は行方不明のまま。

 中には殺されたことを誰にも気付かれず、死体遺棄されている場合もあるそうです。そんな「遺体なき殺人事件」と、最近の事件の逮捕者が関わっていないかを信楽は調べ上げ、わずかな端緒から被疑者を絞り込み、自供にまでつなげていきます。

 本書は、悲しき6つの事件を綴(つづ)る珠玉の連作短編集。風采の上がらないベテラン刑事の信楽が、執念で過去と現在を結びつける手腕はお見事。登場する刑事や新聞記者たちの人間くさいドラマも、読み応えたっぷりです。

定価1500円+税 双葉社 03・5261・4818