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作家の人生は小説より奇なり!? 「図鑑 世界の文学者」

 11月26日は「ペンの日」。1935年のこの日に日本ペンクラブが創立され、30周年を機に記念日として制定されました。日本ペンクラブとは、文学振興や言論・表現の自由を守るために活動する国際的組織の日本センターのことで、ペン(PEN)のPは詩人(Poets)と劇作家(Playwrights)、Eは随筆・評論家(Essayists)と編集者(Editors)、Nは小説家(Novelists)を指すのだそう。

 そんな「ペンの日」にちなんで、今回注目したいのが「図鑑 世界の文学者」です。13世紀から現在までのおよそ800年間に活躍した世界各国の文学者198名を6つの時代ごとに分類し、たくさんの写真や図版とともに紹介したビジュアルブック。中学校や高校で手にする副教材、国語便覧の文学者バージョンという感じで、見応えも読み応えもあります。

 作品は有名で何となく知っていても、作家の人生や人物像まではよほど関心がない限り知らないもの。すばらしい作品が生まれた背景には、時には波乱万丈で複雑な人生があることも多々あります。

 個人的に、その人生の終わりに感動すら覚えてしまうのがエドガー・アラン・ポー。なぜか他人の服を身につけた姿で行き倒れとなっているところを発見され、4日間の危篤状態が続いた末に亡くなり、死因は不明。「推理小説の祖」らしい最期で、「事実は小説より奇なり」を地で行っています。

 本書を眺めていると、学生時代に苦しみながら読んだ名作の数々も、作家自身や作家が生きた時代のことをもっと知っていれば楽しめたのかも……と思わずにはいられません。文学史を辿れる文学教養本としてだけでなく、作家を入り口にした文学ガイドとしてもおすすめの一冊です。