落語だけでなく、芝居や映画でも活躍する柳家喬太郎師匠。演芸専門誌「東京かわら版」が、最新のインタビューや過去の記事で、その落語家人生を描くのが『柳家喬太郎バラエティブック』だ。
小学生のときウルトラマンにひかれ、中学で落語にハマり、大学で落語研究会に入る。書店勤務の後、柳家さん喬師匠に入門し、2000年、真打ち昇進。「純情日記横浜篇(へん)」などの新作を作る一方で、三遊亭円朝の古典を掘り起こすのは「何でこんな面白いのを皆やらないの!」と思うからだ。新作も古典も全部やりたいという。
「落語は一遍世間からなくなったんだと思うんです、少なくとも若い世代からは」「それで新たに落語を知ったから、結構素直に『何これいいじゃない』って聴いてくれているんじゃないか」「同世代は落語はつまんねえとかだせえとかって言っていたけど、仲間内では『おもしれえんだよ、落語ってよ』っていう気持ちがありましたもん」
世間はどうであれ、おもしろいと思うことをやる。そうして流れは続いていく。(石田祐樹)=朝日新聞2019年12月7日掲載