日本でも映画公開された『82年生まれ、キム・ジヨン』、自己啓発書として日韓でベストセラーになった『私は私のままで生きることにした』など、韓国の書籍は、小説やエッセイなどジャンルを問わず、幅広く日本に紹介され、大きな話題を呼ぶようになりました。そうした書籍のより深い背景理解と普及をめざす「K-BOOKフェスティバル2020 in Japan」が11月28、29の両日、オンラインで開催されます。
初開催だった昨年は1日で約1200人が来場し、熱気の高まりを象徴するイベントとなりました。今回は日本の26の出版社が実行委員会に参加し、韓国と日本を結んだ作家、翻訳家や装丁家の対談や、伝統音楽の公演、韓国語教室など13のオンラインイベントが予定されています。
『私は私のままで生きることにした』の著者キム・スヒョンさんや、韓国書籍の紹介にも力を注ぐ人気DJ・古家正亨さんらのトークが無料で視聴できるほか、有料イベントに人気作家のハン・ガンさんも登場します。
事前に申し込みが必要な有料イベントは以下の通りです。
ハン・ガンさんに聞く
11月29日(日)17:00~18:30(参加費1500円)
申し込み先 https://hankang-talk.peatix.com
ハン・ガンさんは『菜食主義者』が2016年にブッカー賞国際部門を受賞した後、世界中で最も読まれている韓国の作家となりました。詩人、小説家のほか、作曲家、歌手としての顔も持つハン・ガンさんに、長年親交のある翻訳家きむふなさんが、皆さんからの質問をもとにインタビューを行います。
「ハン・ガン作品を語る」翻訳者座談会
11月29日(日)15:00~16:30(参加費1500円)
申し込み先 https://translator-talk.peatix.com
ハン・ガンさんの著作は、日本でも『菜食主義者』『少年が来る』『ギリシャ語の時間』『そっと静かに』『すべての、白いものたちの』『回復する人間』の6冊が刊行されています。翻訳を担当したきむふなさん(写真右)、齋藤真理子さん(同左)、井出俊作さん、古川綾子さんが、作品の魅力や苦労談などを語ります。
ベストセラーを創る装幀力 ~2つの『キム・ジヨン』が生まれるまで~
11月28日(土)15:00~16:30(参加費1500円)
申し込み先 https://bookdesigners-talk.peatix.com
韓国で130万部、日本で21万部を突破した『82年生まれ、キム・ジヨン』。それぞれまったく異なるデザインに仕上げたブックデザイナー、名久井直子さんとチェ・ジウンさんがその狙いなどを語ります。
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実行委員会事務局の出版社「クオン」の佐々木静代さんは「今年はコロナの影響でやむを得ずオンライン開催となりましたが、ハン・ガンさんやキム・スヒョンさんら、多忙で来日が難しい人気作家が続々と協力を快諾してくださり、生の声が聴ける、またとない貴重な機会となりました。ぜひともご参加いただき、感想を共有していただければ」と話しています。
その他のイベントや、詳細なタイムスケジュールなどは公式サイト(https://k-bookfes.com/)から。