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【検定百景#35】旅客機・エアライン検定:コロナ禍でも「空の旅」を身近に感じたい

文:若林良 絵:Getty Images

問題1 (2級より出題)

1927年5月20日~21日、チャールズ・リンドバーグが単葉機スピリットオブセントルイス号で単独・無着陸での大西洋横断飛行に成功したが、それはどこの都市からどこの都市への飛行か?

1. ボストンからパリ
2. ボストンからロンドン
3. ニューヨークからパリ
4. ニューヨークからロンドン

 歴史問題ですね。およそ今から100年前の偉業を問う問題です。幸運にもというか、私はリンドバーグの伝記映画『翼よ!あれが○○の灯だ』(○○は答えが入ります)を過去に見ていましたので、正解することができました。

 今でしたらこのふたつの都市の間は、旅客機では7時間半ほどで問題なく移動することができるようですが、こうした技術は先人たちの尽力あってのもの。そのことをしっかりと意識する必要がありますね。

問題2 (ビギナー級より出題)

下記の写真で旅客機の先端にある、レーダーとアンテナの覆いを何というか?

1. エルロン
2. フラップ
3. スポイラー
4. レドーム

 なるほど。確かに旅客機が空港からの信号を受信したり、現在位置を確認する上ではこれらの装置は重要でしょうし、故障しないようにしっかりと保護する必要はありますよね。しかし、「覆い」の名称って何だろう?わからないながらも回答したら、間違っていました(笑)。

 改めて調べたところ、この「覆い」は地上施設にも存在し、おもに風雨や雪などの気象からアンテナを保護する目的で設置されるようです。旅客機の場合、おもに飛行中の空気抵抗が小さくなるように、流線形になっているとのこと。

 比較的易しい級では、このような画像問題も多めのようです。「あまり旅客機に詳しくない方でも興味を持っていただけるように、視覚的に楽しめる問題も多くちりばめるようにしています」と語るのは、検定を運営する日販セグモ株式会社の鯵坂玲奈さん。

 また、このような旅客機への興味を広げる取り組みとして、受験者や合格者を対象としたイベントも積極的に企画しています。「昨年の2月には、合格者を対象にJALスカイミュージアムの見学イベントを行いました。そこでは最優秀成績者の表彰や航空評論家の小林宏之さんの講演なども行い、参加者の皆様に楽しんでいただきました」

 テキストについても、ただ知識をつけてもらうだけではなく、読者が読む楽しさを覚えられるように意識して作られているとのこと。「たとえば、日本からハワイに行くと仮定して、航空券購入から入国審査までの空港内や旅客機でのさまざまな動きを解説しています。ここから、実際に旅に出たような感覚を得てもらえればという思いがあります」

 2019年に発足した、まだ若い旅客機・エアライン検定。2020年はコロナ禍で中止になりましたが、今年7月には第2回の試験が予定されています。今はなかなか遠くへ足を運ぶことは難しいですが、検定を通して、飛行機に乗ったような感覚は確かに得られそうな気がします。

 それでは最後の問題にチャレンジ!

【問題3】 (ビギナー級から出題)
次のうち、空港のない都道府県はどこか?

1. 和歌山県
2. 岩手県
3. 京都府
4. 山形県

【正解】問題1=3、問題2=4、問題3=3