鍛え抜かれた体と、生活にも影響する特殊な任務・・・・・・。『突撃! 自衛官妻』(ぶんか社)は、著者の日辻彩さんが自衛隊で働く夫を描いたコミックエッセーです。一般人の日常からはかけ離れた自衛官の生活を面白いと感じた日辻さん。些細なやり取りの中に感じた「非日常」を、パートナーの視点からゆるくコミカルに紹介しています。
自衛隊は防衛、国際平和協力、災害派遣など様々な任務に対応するため、多数の職種があります。私たちが想像する最前線の仕事のほかに、事務や広報などのデスクワークを行う人もいれば、自衛官が安全で健康的に過ごせるよう、体調管理や会計業務を担当する人もいます。
日辻さんの夫の主な仕事は、海上自衛隊での機械の修理。それでも一晩中、爆弾倉庫の警備をしたり、プールや海で訓練したり。時には陸上自衛隊が扮する特殊部隊のテロリストに基地を乗っ取られたという設定で、24時間のテロ対策訓練にも参加します。
パートナーが自衛官のカップルは、会話ひとつにも自衛隊ならではの世界があふれているのだそう。「硫黄島に行くから明日会えない」「射撃訓練をしていた」など、普段聞きなれないワードのオンパレードで、付き合い始めた頃は日辻さんも戸惑うことが多かったといいます。守秘義務があるため、いつどこへ行って、いつ帰ってくるのかを話せないことも日常茶飯事。そのことを知らない彼女がフラれたと勘違いして、別れにつながってしまうこともよくあるのだとか。独身の自衛官は厳しい寮生活が基本で、配属される職種によって全国各地への転勤も多く、遠距離恋愛のカップルは月2回会えたらいい、ということも珍しくないようです。
デートの待ち合わせも、「5分前の精神」がお約束。これは集合時間の5分前にはいつ出動してもいいように準備を整えておくことで、常に一歩先のことを考え、余裕を持つという自衛隊ならではの伝統的な習慣だそう。さらに、厳しい寮生活では早寝、早起き、早風呂に早メシが基本。プライベートでも規則正し過ぎる生活に少しイラッとしてしまうこともあったという日辻さんですが、次第に彼のペースに馴染んでいく様子に読者も思わずニヤリとしてしまいます。
「突撃!自衛官妻」で知る、自衛隊あるある!?
- 海上自衛隊の艦の乗組員は航海で家をあけることが多く、妻の出産を基地の全体放送で知ることもある
- 手が塞がると戦闘に不便になるので、傘はプライベートでも使わない人が多いらしい
- 事務系の仕事でも、仕事中に空き時間ができると職種を問わず走って鍛える
- 自衛官と合コンをすると、急に「飛行機に爆弾を詰め込まなきゃいけない」などの理由でリスケになることもしばしば
- 筋トレのコツを教えてもらおうとするとやたら厳しい