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吉川英治文庫賞・上田秀人さん 多作の秘訣、「締め切りは破らない」

上田秀人さん

 第56回吉川英治文学賞(吉川英治国民文化振興会主催)が2日に発表された。受賞作に選ばれたのは、京極夏彦さんの『遠巷説百物語(とおくのこうせつひゃくものがたり)』(KADOKAWA)と中島京子さんの『やさしい猫』(中央公論新社)。会見で京極さんは「読者のみなさんとお化けのおかげ」、中島さんは「題材自体が世に出たがっていた」と語った。

 同時に発表された第7回吉川英治文庫賞には、上田秀人さんの時代小説「百万石の留守居役」シリーズ(講談社文庫)が選ばれた。会見で多作の秘訣(ひけつ)を問われた上田さんは「締め切りでしょ」と即答。「締め切りを破る作家は最低だ、死んでも締め切りは守れ」とかつて言われたことから、今まで締め切りを破ったことがないと話した。

 『残月記』(双葉社)の小田雅久仁さんとともに『スモールワールズ』(講談社)で第43回吉川英治文学新人賞に選ばれた一穂ミチさんは関西在住。会場と結んだ電話で受賞の喜びを語った。上田さんの締め切り話を引き合いに出し、「動悸(どうき)が止まらなくなった。当該の編集の方、あとで謝らせてください」と会場の笑いを誘った。(興野優平)=朝日新聞2022年3月30日掲載