身近な所で働く人の1日をのぞくことができるノンフィクションの写真絵本シリーズ「はたらく」が創元社から登場した。11月までに本屋、中華料理店、製本所、図書館の4タイトル(各2420円)が刊行されている。
人はみなそれぞれの職場へ出勤し、作業に取り組み、求めに応じて動き回る。その姿を吉田亮人さんのモノクロ写真と矢萩多聞さんの文が淡々と切り取ってみせる。
「働くことの普遍的な部分が見えてくる」と話すのは担当編集者の坂上祐介さん。矢萩さんの出版レーベルAmbooksが少部数で制作したのを気に入り、多くの人の手に届けたいと刊行を持ちかけたという。
読んでいると確かに、職業は違うのに自分にもこんな瞬間があると感じる時がある。私も「はたらく」一員で、こうした無数の「はたらく」があって人の暮らしが成り立っていることに気付かされる。(真田香菜子)=朝日新聞2024年12月7日掲載