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マンガワン巡り被害女性が声明「心から望むこと」 小学館も対策公表

小学館の社屋=東京都千代田区

 小学館は9日、マンガ配信アプリ「マンガワン」で、過去に性暴力事件に関与したマンガ家を、別の名義で原作者として起用していた件について、取締役らが被害者の女性側に謝罪したと明らかにし、今後の対策などについて公表した。

 別名義で起用されたのは「マンガワン」で「堕天作戦」を連載していた山本章一氏(ペンネーム)。山本氏は北海道内の私立高校の元教員で、元生徒の女性が山本氏から性暴力を受けたとして、損害賠償を求める民事訴訟を起こしている。山本氏はこの提訴後に「一路一」名義で「常人仮面」の原作者として起用されていた。この経緯について同社は、第三者委員会を立ち上げて調べるとしている。

 同社によると、5日に同社の取締役と法務担当者が女性の代理人と面会。女性には電話で、「会社の管理監督体制に問題があった」などとして謝罪したという。

 小学館はホームページ上で、「その場で賜りましたご意見を真摯(しんし)に受け止め、社としてあらゆる人権を尊重する責任を果たすために、今後様々な取り組みを行いますことをお約束いたします」と表明。新たに「人権ポリシー」を策定することや、社内向けに人権セミナーを実施する方針も公表された。

 一方、女性側の代理人弁護士は8日、所属する法律事務所のホームページで女性の声明を公表した。

 山本氏の別名義での起用について、女性は「確かにショックでした」としつつ、「私は、前科がある人であっても、絵を描いたりストーリーを考えたりすることはしても良いと思いますし、そういう人に発表の場を与えることも、一概に悪い事(こと)だとは考えていません」とコメントした。性暴力について「認めて充分(じゅうぶん)な対処をした上で、二度としないと約束してから次に進んでもらいたいと考えていました」としている。

 声明のなかで女性は「これ以上、小学館への批判がインターネット上で炎上することは、望んでおりません」とし、「心から望むこと」として「被害の実相を広く知っていただき、こんなことが起きないよう、社会全体で子どもを性被害から護(まも)る仕組みをつくっていただくことです」と訴えた。

(照井琢見)朝日新聞デジタル2026年03月09日掲載