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短編発掘して550円文庫に、講談社「STORY IN POCKET」

講談社文庫の新シリーズ「STORY IN POCKET」の作品

 講談社が著名作家の埋もれた短編を集めた文庫シリーズ「STORY IN POCKET」=写真=を今春から始めた。本になじみの薄い人も手に取りやすいよう200ページ前後にとどめ、価格は550円にした。

 東野圭吾さんの『小さな故意の物語』は、27歳で書いた表題作など3編を収めた。4月の刊行から版を重ね、3刷10万部とヒットしている。塩田武士さんの『起点』は、新聞や雑誌に載ったが書籍化されていない4編を選んだ。7月以降は宮部みゆきさん、村田沙耶香さん、村上春樹さんらの作品を刊行予定だ。

 文庫は定価が千円超のものが増え、社内には「読書の入り口」としての機能が失われるとの懸念もあった。

 講談社文庫出版部の塩見篤史担当部長は「1編の物語や1冊の本を読みきることで得られる達成感をいま知ってもらわないと、読者の裾野も広がらない」と話す。「文庫という日本ならではのメディアの質感もこの機に見直してもらえれば」(伊藤宏樹)=朝日新聞2026年7月4日掲載