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未来の手引書としての古典

日本文学の大地 著者:中沢 新一 出版社:KADOKAWA ジャンル:小説・文学

価格:1728円
ISBN: 9784046533319
発売⽇: 2015/02/24
サイズ: 20cm/238p

魅力的な日本文学を生み出した「大地」とは? 自由闊達に、そして軽快に、日本の傑作古典文学の地層の奥ふかくにダイヴし、自然と文化が溶けあう、日本人の「心的空間」を描きだす。…

評者:島田雅彦 / 朝⽇新聞掲載:2015年04月19日

日本文学の大地 [著]中沢新一

 古典とは五百年後、千年後に爆発する一種の時限爆弾である。伝統とは単に先祖が作った型や技を踏襲することでなく、現代の行き詰まりを打開する秘術として用いることも含まれる。井原西鶴が「源氏物語」をリサイクルすることで、江戸町人文化の起爆剤にしたように、古典には時代ごとに新たな息吹を吹き込まれてきた。自然と文化、夢と現実、感覚と論理、信仰と生活が表裏一体だった時代の日本人は、それらが切り離された近代以後を生きている私たちと較(くら)べ、実におおらかで、思考のスケールが大きい。私たちの直接の先祖でありながら、その繊細な感覚や大胆な行動に圧倒される。標準化され、飼い馴(な)らされた現代人の限界をやすやすと乗り越える知性が古典には秘められているが、それを発見するには、それこそ今日の現実の外に生きている人の力を借りる必要がある。たとえば、自身の脳の中にタイムマシンを内蔵している中沢新一のような人の力を。
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 KADOKAWA・1728円