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人と違う道歩む姿があっぱれな「ひかり舞う」など 「子どもの本棚」オススメ3冊

「ひかり舞う」

 戦国時代に、男の「縫い物師」として新しい道を切り開いていった主人公の若者、平史郎のあっぱれな生き方に感銘を受けた。また父親の仕事も明智光秀の衣装係という設定に歴史の表舞台には登場することのない人々や職業に光をあてて物語を紡いでいる作者の思いがひしひしと伝わってくる。
 父の死後、妹のサキも病死し、母と別れ、自立することにした平史郎の前に現れたのは、鉄砲衆のタツだった。彼が連れて行った雑賀の里で漁師や鉄砲衆の仕事を手伝おうとするが、うまくいかず、そこで教わった針仕事で、才能を発揮することになる。絵描きの周二や朝鮮から連れてこられた少女おたあとの交流を通して平史郎がたくましく成長していく青春歴史小説。(ちいさいおうち書店店長 越高一夫)
 ★中川なをみ著、スカイエマ絵、ポプラ社、税抜き1500円、小学校高学年から

「さよなら、スパイダーマン」

 5年前、テロで姉を亡くした10歳のジェイミー。彼を取り巻くつらい環境から救ってくれたのは、イスラム教徒の女の子だった。死や家族のことなどは答えの出せない難しい問題だが、子どもらしい屈託のなさで向き合っていく姿に、子どもたちの未来への希望を感じる。立場の違う人を尊重し、自分の視野も広げて欲しい。(丸善丸の内本店児童書担当 兼森理恵)
 ★アナベル・ピッチャー著、中野怜奈訳、偕成社、税抜き1700円、小学校高学年から

「いろのかけらのしま」

 「ぼく」は、海に浮かぶ小さな島にすむ海鳥。一見きれいな色とりどりの島とは、人間の捨てるごみが流れついてできたプラスチックの島だ。ごみの中に閉じ込められたり、ごはんと一緒にごみを食べてしまったりする鳥たち。柔らかな墨で描く海の生物のあどけない表情と厳しい現実が、地球の環境を考えるための想像力を育む。(絵本評論家・作家 広松由希子)
 ★イ・ミョンエ作・絵、生田美保訳、ポプラ社、税抜き1400円、7歳から=朝日新聞2018年1月27日掲載