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「学年誌が伝えた子ども文化史」 昭和の子どもが見た夢

 月面着陸に霞が関ビル、超音速機。本書が扱う時代に園児、小学生だった身に、これらは甘美に響く。未来を信じたあのころ。そして巻頭は、順当に大阪万博。実見前から会場ガイドができたのも、学年誌の特集のおかげだった。
 劇画風のイラストと今見ると粗末な写真が、子どもたちの想像と妄想を刺激した。お勉強系の「科学」と「学習」と、娯楽系の学年誌は子ども向け情報誌の両輪といえた。巻末では後者名物の紙製付録も復刻。当然、「万国博大パノラマ」だ。(大西若人)=朝日新聞2018年4月14日掲載