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堀田秀吾「科学的に証明された すごい習慣大百科」 人生を変えうるエビデンス

 FIFAワールドカップを指揮した森保一監督がスターぞろいの日本代表チームに示した指針は「凡事徹底」である。常に足元を見つめ日々のプロセス、たとえばトレーニングや試合に臨む準備、チームとしての規律、選手同士のコミュニケーションなどを積み重ねることが大切という、実直な森保監督らしい方針だ。

 そんな「凡事」よりもっと身近にあるのが何気(なにげ)なく毎日行う「習慣」である。

 本書では日常の習慣が人生を変える可能性があるという、単なる精神論ではない科学的エビデンス(国内外の著名大学で学術論文として発表されたものから引用)から解き明かした112種の習慣を紹介している。著者は言語学者だが、全体的に心理学的アプローチから証明されている習慣が多い。

 多くの読者は読み進めていくうちに「もうこの習慣やってるよ」とほくそ笑むだろう。本書から得る新しい気づきだけでなく、すでに良い習慣を行っている読者には自信がもてる本でもある。ちなみに筆者が該当する習慣は45個だった。

 本書が紐解(ひもと)く大切なテーマのひとつは「体が先、メンタルは後」という人間の根幹である。分かりやすくいうと、日々あれこれ考えて悩む前にまず体を動かせば脳は勝手に動くということである。具体的に「なわとびを10分する」「運動をゆるく続ける」「スロージョギングをする」「スキップをする」など、ランニングの世界では当たり前のエッセンスが紹介されていることは興味深かった。また、それらが脳内ホルモンとの関連で科学的エビデンスから証明されていることも新たな発見だった。

 「語彙(ごい)力も60代後半まで伸びる」らしい。その言葉に勇気づけられた世代の一人として、若者からシニアまで幅広い世代の読者におすすめしたい一冊だ。=朝日新聞2026年7月18日掲載

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 SBクリエイティブ・1760円。25年7月刊。21刷66万部。著者は明治大教授で言語学者。「一つの項目が見開きで完結し、親近感のあるイラストも相まって、ふだんあまり本を読まない方も手にしている」と担当編集者。