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「無念共同体」もあったはず

革新幻想の戦後史 著者:竹内 洋 出版社:中央公論新社 ジャンル:社会・時事・政治・行政

価格:3024円
ISBN: 9784120043000
発売⽇:
サイズ: 20cm/546p

【読売・吉野作造賞(第13回)】戦後社会では様々な空間を革新勢力が席捲していった。誰がどのように時代の気分を誘導し、その後のねじれた結果をもたらしたのか。文献資料や聴き取…

評者:朝日新聞読書面 / 朝⽇新聞掲載:2011年12月18日

革新幻想の戦後史 [著]竹内洋

 1970年代までのキャンパスは、「左翼でなければインテリにあらず」という革新幻想が支配していた。そんな空気に違和感を抱いてきた42年生まれの著者が自分史とともに過去を見つめ直す。
 敗戦感情には「過ちを繰り返さない」「悔恨共同体」だけでなく、「こんどこそはうまくやろう」という「無念共同体」もあったはずなのに隠されてしまったと指摘する。55年の「六全協」による共産党神話の崩壊により、政党と無関係な「市民派サヨク」の居場所ができたという。
 東大教育学部における「進歩的教育学者」と教育社会学者の対立、小田実の変遷など、紹介される事例は興味深い。
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 中央公論新社・2940円