「世界で一番美しい海のいきもの図鑑」 深くて静かな海の世界に浸る

「海の日」を迎え、いよいよ夏本番。海水浴に出かける前に、ぜひ手に取って見てほしいのが、この「世界で一番美しい海のいきもの図鑑」です。
海に潜って40年以上というベテランの海洋写真家、吉野雄輔さんの集大成となる一冊。海というと「青」をイメージするかもしれませんが、本書の主役は「黒」を背景に海の生物をとらえた写真たち。生き物たちの色や形がくっきりと浮かび上がり、じっと目を凝らしてみると水中の気泡や塵まで見えてきます。
膨大な写真のストックから375点の写真を選び、構成も考え抜いた上で完成したのは「海」をテーマにした一つのビジュアルストーリー。「黒」を背景にした写真がメインではあるものの、各章の扉部分に「青」の写真が挟み込まれているのが印象的です。
編集担当の橋本隆雄さんによれば、「ここで海の世界であることを再確認してもらい、読者に水中遊泳を楽しんでほしい」という狙いがあるそう。
夏のにぎやかな海とはまた違った、深遠で静謐な海の世界。ただ眺めているだけで心が落ち着いてくるようです。