「鎧櫃の血」 岡本 綺堂・著 あらすじ
三浦老人の話は、およそ二十四、五の短編である。単彩の話題をとらえて、人生の断面を衝き、時代相と生活が渾然と融け合っている……。「江戸」がすっかり懐ろに収まっている趣きである。全十八編収録。(「honto」より引用)
投稿者・トマトさん(神奈川県)
江戸時代の雰囲気を感じさせ情緒があります。昼と夜がはっきり分かれ、月が出ていなければそれこそ真っ暗闇。魑魅魍魎、妖怪、幽霊が跋扈しやすい環境で、奇々怪々の事件が起きる。大概の小説家の怪談物は謎解きになっていて、呪われた理由が分かったり解決したりするが、岡本綺堂の小説は解決しない。
分からずじまいで終わるが、それがちっとも変ではなく、「そういうものか」と妙に納得してしまう恐ろしくも不思議な世界です。
谷原店長のコメント
時代小説の怪談、大好物です。