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36歳未婚彼女なしの僕が考える「本当にいい男の条件」 松浦弥太郎「僕の好きな男のタイプ」書評

文:ウイ

先日、久しぶりに会った女友達がおどろくほど美人になっていました。

少し痩せて、肌もきれいで、何よりも色気が増していました。
「えらい美人になったね!!」と聞いたところ「最近よく言われるけど、変わったことは…彼氏ができたことくらいかな!てへっ!」という答えが。
(なにが「てへっ」だ。彼氏いない歴4年だったくせに)と石を投げつけながらも(やっぱり不思議だな)と感じます。まちがいなく女性は恋愛で美しくなります。女性ホルモンの影響なのか、こればっかりはうまく説明ができませんが、たとえその恋愛が終わったとしても、女性は恋愛で美しくなるようにできているようです。そして恋によって美しくなった女性は、たとえその恋が終わっても他の男性からアプローチを受けやすく、また新たな恋愛をし、また美しくなり、その恋が終わったとしてもさらに美しくなり(以下、無限ループ)

ただし、気をつけなければいけないのは、その逆もありえるということです。
彼氏ができたとたんに泣く回数が増えたり、肌がシワシワになったり、ブクブクに太ったり、ガリガリに痩せたり、肌や髪や爪がカサカサになる女性もいます。眉間にシワできる人も多いですよね。
この差は、言わずもがな「付き合う男のちがい」です。
いい男と付き合うと、女性は美しくなり、悪い男と付き合うと女性はボロボロになる。必ずどちらかに転ぶ。変化しない女性はどうやらいないようです。

こういう男はやめましょう

では、女性をダメにする悪い男、美しくなるために付き合うべきいい男とはどんな男なのでしょうか。

同性であれば、男と男であれば、わりに人間としての魅力に気づきやすい。そして女性でも男性でも、同性に好かれる人は、異性としても人間としても魅力的な人です(6ページ)

松浦さんにならい、まず僕が悪い男の条件を挙げさせていきます。もうここは「暴力を振るう」や「浮気する」など当たり前のことは割愛します。

まずは「不機嫌が長い男」です。男は女性が「なんで?なんか気に食わないことあった?」と疑問に思うタイミングで不機嫌になる生き物です。その多くの原因は、ささいなことを許せなかったり、何かに嫉妬したりしている自分を女性に悟られないために「不機嫌」という仮面で隠しています。同時に「本当はなんでも受け止めることができる器の大きい男になりたいのに、そこから乖離している」という男性自身の中で葛藤の表れでもあります。これはしょうがないことで、無くすことはできません。

でも、この「不機嫌タイム」が長い男性は良くありません。何の話し合いもせずに、あなたが折れることを待っているからです。ちんけなプライドを守っています。二人の間に出た課題から逃げるように不機嫌になる男と未来を作れるはずがありません。

次に「緊急事態に疎い男」です。地震、台風、大雨、酷暑、大寒波。最近の日本の自然災害は過去例を見ないくらい騒がしくなっています。いい男は何かあったとき、真っ先にあなたのところに飛んできます。たとえ「大丈夫だよ」と伝えても、大きな災害があったときに、ちゃんとあなたの目の前まですっ飛んでくるはずです。なんの連絡もしてこないのは言語道断。すっ飛んで来れる距離なのに、あなたが心細い思いをしているのに「なんか大雨で停電してるみたいだね?気を付けてね」とLINEひとつで終わらせる男は決していい男ではありません。

最後は爪を切っていない男です。女性の身体に触れる可能性があるデートに爪を切ってこない男に気遣いは皆無と思っていただいて間違いありません。自分の視界に入る爪ひとつ気が付けない男にあなたの不安や不満や変化に気付けるはずがありません。爪にこそ男の気遣いが現れると考えます。

僕が抱かれたい「いい男の3条件」

続いて、ここからが本題。いい男の条件です。ここでも「優しい」とか、そんな大前提となることは割愛します。顔、年収、学歴、収入。こういったよく出てきそうなスペックでもありません。男から見ても「かっこいいな、すごいな、男前だな、抱かれたいな」と思う条件です。

まずは「はたらき者の男」です。
堅苦しい条件に聞こえるかもしれませんが、いい男の大前提になると思います。僕たちは仕事をしてお金を得なければ生きていくことができません。だから多くの人は膨大な時間を仕事に費やします。どんな仕事であれ、苦しいことや逃げ出したくなることがあるでしょう。むしろつらいことのほうが圧倒的に多いのかもしれません。それでも逃げずに向き合い、腹を決めてはたらく男はみないい男です。朝起きて、身支度をして一所懸命はたらいて、怒られたり謝ったり足を臭くしたりシャツを汚したりしながら、ヘトヘトになって帰る。それでも疲れた顔して「仕事?楽しいよ」なんていう男がいたらその人めっちゃいい男です。

大企業が何万人もリストラする時代です。これからはどんな仕事をするのかよりも、どんなはたらき方ができるのかが重要になってくるはずです。本当に大切なことは、どんな仕事であれ一所懸命はたらく男、楽しみながらはたらく男です。

次に「女性にきびしい男」です。
ここで言うきびしさとは、負荷をかけることではありません。ちゃんと女性のために意見を言うことができる男のことです。僕たちはいつまでたっても未熟で、完璧になんかなれません。だからおたがいに色々と意見を伝え合って、時には耳の痛い話もしなくていけません。でも、まるでそれを放棄するようなやさしさをもつ男が多いです。女性のわがままのほとんどをゆるし、攻められれば謝り、まるで保護者のようになっている男です。こういった優しさはいつか崩壊します。見返りを求めるようになったり、皮膚の内側にドロドロとした感情をため込むようになるからです。それはいつか浮気や暴力や別れの引き金にもなります。何でもゆるす優しい男ではなく、時には厳しい意見をきちんと伝える男。そんな男はまちがいなくめっちゃいい男です。

最後は「価値観をちゃんと話す男」です。
たくさんの夫婦やカップルの別れる原因が「価値観の相違」です。不思議ですね。価値観が似ているから付き合ったり結婚したりするのに。「彼はきっと運命の人!一緒にいると安らぐし、趣味も合うし、最高!ダーリンラビュー!」と言っていた女性があっけなく「価値観が合わない。マジむり」と言ったりします。

原因は簡単です。価値観はコロコロ変わるからです。そもそも価値観をぴったり合わせるなんて無理な話です。今の僕たちが持っている価値観はこれまでの経験や体験によって形成されたものです。いびつで、複雑な形をしています。そして、これから体験することを通して、価値観は変わるのです。昨日まであんなに夢中だったものに飽きたり、大切だったものがいらなくなったります。だから、四季のように変わる価値観をしっかり共有しないと、一見ぴったりと寄り添うように平行に見える二本の線が、本当はちょっと傾いていて、気がつけば大きな溝ができていたりするのです。

でも、価値観を話さない男性が多い。めっちゃ多い。好きな洋服や音楽や映画など、趣味に関わる価値観は饒舌なのに、だいじなこと、例えば恋愛や将来やお金や仕事に対する価値観となると急にダンマリしたり、「ベイビー、その話はまた今度ちゃんと話そうぜ」その場しのぎの言葉で逃げる男。
女性からの質問に対して「僕はこういったことを大事に思っているし、こんなふうにしていきたいと考えている」と互いの価値観を理解しようと正直に話してくれる男性。そんな男は間違いなくいい男です。もちろん、衝突もあると思います。その時は思いっきりダサくてもいいから本音をぶつけて、イライラしたりドギマギしたりすればいいんです。

顔・スタイル・地位以上に大切なものがある……はず

これらは僕の周囲でうまくいっているカップルや夫婦の共通点でもあります。そして、冒頭で述べた通り、こんな男性をパートナーに持つの彼女や奥さんはみんなどんどん美しくなっていきます。きっと「この人となら大丈夫だろう」という安心感も美しくなる重要な要素になっていると思います。

ここで挙げた条件はあくまで「僕にとっての」いい男の条件です。いい男の条件は人によって違うはずです。長い目で見た時には必ず顔やスタイルや収入以上に大切なものがきっとあると信じます。

自分にとってのいい男を決めるために参考にするべき本が「僕の好きな男のタイプ」です。「この条件さえ合っていれば他のことは多少目をつむれる」と言えるくらいの「顔や年収以外の自分にとってのいい男の条件」を探すにはピッタリの本です。

もしあなたがパートナーとの関係に迷っているなら、勇気を振り絞って、こう聞いてみたらいかがでしょうか? 「人を愛することって、どういうことだと思う?」と。 わからずも、きちんと答えようとする姿勢があれば、きっと大丈夫です。 (195~196ページ)

自分にとって何が大切なのか、男性に求めている本当のことを探す手伝いをしてくれるはずです。

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