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芥川龍之介『芋粥』の芋粥を動画で味わう

「欲望」を食べる 芥川龍之介『芋粥』

 「あの小説をたべたい」は、好書好日編集部が小説に登場するごはんやおやつを料理し、食べることで、その物語のエッセンスを取り込み、小説の世界観を皆さんと共有する記録です。

 3月1日は、文豪・芥川龍之介の誕生日だったということで、今回は芥川龍之介の短編小説『芋粥』を味わってみます。

 舞台は平安時代。摂政・藤原基経に仕える五位の「某(なにがし)」は、40過ぎのうだつが上がらない男で、同僚はもとより、子どもたちからも馬鹿にされるという情けない日々を送っていました。

 そんな彼の唯一の希望は、芋粥を飽きるほど食べてみたいということ。

 とある集まりで、その願望をポツリと口にしたところ、その場に居合わせた藤原利仁から「お望みなら、利仁がお飽かせ申そう」との申し出を受けます。

 『今昔物語』の一話を題材に、願望成就を目前にした人間の複雑な心理を描いた一作です。

「欲望」を食べる

 五位が「飽きるほど食べたい」と思った「芋粥」は、私たちが「芋粥」と聞いて思い浮かべるものとはちょっと違うもよう。

五位は五六年前から芋粥という物に、異常な執着を持っている。芋粥とは山の芋を中に切込んで、それを甘葛(あまづら)の汁で煮た、粥の事を言うのである。

 サツマイモかと思っていた芋は山芋、さらにそれを甘葛というつる草の一種を使った甘味料で煮たものが、ここでいう「芋粥」なんだそうです。

 甘葛を再現するのは難しいので、植物由来の甘味料であるメープルシロップで代用してみることに。山芋が煮えたら、黒ごまときな粉をトッピングして完成です。

 食べるまで味の想像がまったくつきませんでしたが、恐る恐る口にしてみると台湾のホットスイーツのような、素朴な味わい。一見ならぬ、一食の価値ありです。

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