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暮らしの道具との新たな出会いを 「あらもの図鑑」

 春は年度も変わり、新しい始まりを予感させる季節。住む場所に変わりはなくても、日々の暮らしの道具を見直して“新生活”を始めてみませんか?

 「あらもの図鑑」は、トタンのバケツやたらい、洗濯板など、町の荒物屋さんに並ぶ暮らしの道具や日用品を集めた一冊。編者は、東京・日本橋馬喰町の荒物問屋「暮らしの道具 松野屋」店主の松野弘さんです。松野さんが日本各地を巡って見つけたおよそ130点の荒物を「台所道具」「生活道具」「掃除道具」など道具を使う場面ごとに分類して紹介しています。

 大量生産品でもなく、美術工芸品でもない、ふだんの暮らしの中で使われる道具たちは、長い年月を経て工夫が重ねられ、使い勝手のいいものが多いそう。生活に根ざした道具なだけに、求めやすい価格も魅力的です。

 本書を眺めているだけで、新生活への期待もふくらみます。例えば、おろし器の紹介ページ。素材や形もさまざまなおろし器を見ていると、「何をおろすのか」「粗くおろしたいのか」「細かくおろしたいのか」など用途別に使い分けたくなってきます。道具を変えるだけでも、ていねいな暮らしができそうです。

 日本各地の職人さんや町工場の訪問記も収録。暮らしの道具が生まれる手仕事の風景を垣間見ることができます。作り手の顔や手間ひまが見えてくると、ものへの愛着もいっそう深まるもの。本書をカタログ代わりに、愛用品となるかもしれない荒物を探してみてはいかがでしょうか?