もうすぐお盆休み。生まれも育ちも東京だという人は、“帰省”の意味を込めて「東京さんぽ図鑑」を片手に、改めて東京の町を巡ってみてはいかがでしょうか?
本書は、フィールドワーク集団・スタジオワークが実際に東京の町を歩き、建築や地形などの視点から、意外と知られていない東京の魅力をイラストとともに紹介した一冊。丸の内や銀座、新宿、渋谷など都内のメジャーどころはもちろんのこと、荒木町や雑司が谷、王子、千束・三ノ輪といったツウな町のセレクトが心憎いところです。
帰省で東京駅を利用するという人は、建築物としての東京駅のディティールを見てみることをおすすめします。設計者・辰野金吾のこだわりのデザインや、レンガの積み方の違いなど、美は細部に宿ることを確認できるはずです。
老舗好きの筆者としては、暖簾の上部を見れば関西から進出した店なのか、関東の店なのかわかると知り、暖簾を見かけるとチェックしてしまうように。暖簾棒を通す部分が袋状になっていて棒が見えないのが関西風、輪になっていて棒が所々見えるのが関東風なんだそうです。
なんてことのない風景に潜む、東京の歴史やかつての町の名残りの数々。温故知新な東京さんぽをぜひ楽しんでみてください。