「夢の正体」書評 満天の星★の下で夢みるように
ISBN: 9784152099174
発売⽇: 2020/02/20
サイズ: 19cm/302p
夢の正体 夜の旅を科学する [著]アリス・ロブ
★最初の夢の記憶は7歳の時に★見た龍の夢だった。2★度目の記憶はず★っと飛んで25★年後の1970年に見た空飛ぶ円★盤に搭乗させ★られる宇宙的な夢だった。その後7年間、円盤が夢に現★れ続けた。この夢体験を記録するために夢日記を今も記述し★続けている。僕の夢の★大半が超自然的なもので、★現実★と分離したもうひとつの現実が夢だとしても、あまりにもこの種の夢が★リアル過ぎた。
夢に興味を持ったもうひとつの★理由は、夢を記述することで無意識と顕在★意識を統合し、★共時性(シンクロニシティ)を呼ぶというユングの学説だった。この考えはそ★の★まま芸術的創造★に置き換えられる★。本書は夢の正体を探究するだけではなく、夢で問題を解決する方法や★★、人生の危機に備える予知に★目覚める現象、悪夢の克服方法、そんな研究の記録である。
★僕が特に興味を持つの★は夢と創造の因果関係。夢を★ツールとして多くの作家、芸術家★が作品を残している★。ポールの「イエスタ★デイ」は夢の啓示、ベルイマ★ン、フェリーニも夢の光景を描★く。グレアム・グリーンの夢★日記は短編小説そのもの。ステ★ィーブン・キングの『IT』は★行き詰まった時、悪夢を★見て、その姿をそのまま小説にした。
一方、ダリは明晰夢を見ることが★出来た。明晰夢とは自分が夢を見ていることを自覚している状態のこと。チベットのラマ僧★は明晰夢によって悟りを獲得すると聞いた。こういう域★に達するとLSDも効かないそうだ。目を開けて夢を見ているような人達であ★る。するとある芸術的境地に至ると無意識を★必要としないのかも★知れない。 ★★
僕が本書で最も関心を持ったのは明晰夢の研究だ。「本★物としか思えないほどリアル」だという明晰夢は超常現象や宇宙の場面が多★いという。あの宇★宙的な夢は明★晰夢だった?
◇
Alice Robb 1992年生まれ。米国人ジャーナリスト。ワシントン・ポスト、エルなどで執筆。本書が初の著書。