ポップな装丁が目を引く『こちら、苦手レスキューQQQ!』。コンビニ店員2人とネズミが、老若男女36人の「苦手」をレスキューするというお悩み相談の体裁はとっているのだが、その枠には収まりきらない。
例えば、愛想笑いが苦手の30代女性。レスキュー隊が調べると、愛想笑いの神様が天から糸を垂らして口角を上げてくれていた。添えられた楽曲のQRコードをスマホで読み取ると「あなたが笑ってくれるなら/Calling、コーリン 今日も降臨」のメロディー。まさに詩集と音楽と絵本がコラボしたような「作品」。文は「NHKみんなのうた」や朗読劇に関わるシンガー・ソングライター、小島ケイタニーラブ。収録42曲の作詞作曲も担当した。絵はイラストレーター、木下ようすけ。
コロナ危機のなか、家族で開くのもいい。かさぶたが苦手な幼稚園児や将来の夢を聞かれるのが苦手な小学生も出てくる。そして最後に裏表紙の内側の詩を読んでほしい。大切なことが何なのかそっと伝えてくれる。(久田貴志子)=朝日新聞2020年4月18日掲載