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「神になった日本人」など注目の新書5選(朝日新聞2020年5月16日掲載)

『神になった日本人』

 藤原鎌足の談山神社や弘法大師空海の高野山奥之院など、日本各地には歴史上の人物をまつった神社や寺がある。彼らはいつ、どこに、どのような理由で「神」としてまつられるようになったか。民俗学・文化人類学者が11人を取り上げ、「物語」を重視しながらたどる。
★小松和彦著 中公新書ラクレ・990円

『有権者って誰?』

 「有権者」という言葉を糸口に、選挙の仕組みや意義、社会参加するとはどういうことなのかを深く掘り下げていく。消費者として、市民として、様々な立場で存在する有権者。「有権者、それは、わたしです」という自覚をもって選挙にのぞむきっかけづくりに。
★藪野祐三著 岩波ジュニア新書・880円

『伊藤若冲』

 江戸時代の天才絵師で近年爆発的な人気の若冲。そのきっかけを作った美術史家による入門書。最近の研究成果を取り入れ、若冲の生涯や代表作「動植綵絵(どうしょくさいえ)」の解説などをわかりやすくまとめている。絵画のカラー写真も豊富。「よみがえる天才」シリーズの第1作。
★辻惟雄(のぶお)著 ちくまプリマー新書・1100円

『北澤楽天と岡本一平』

 世界的人気を誇る日本の漫画とアニメ。手塚治虫が礎を築いたとされるが、手塚に大きな影響を与えた2人の漫画家こそ、その源流だと説く。著者は大学で漫画論を教える漫画原作者。「売れてなんぼ」の世界を生きてきた立場から、従来の漫画史に異を唱え、経済の視点で見つめ直す。
★竹内一郎著 集英社新書・902円

『カラー版 身近な鳥のすごい食生活』

 スズメの親鳥はひなが巣立つまで4千回超餌を運ぶ。ヒヨドリはミカン好きだがムクドリはミカンを食べない、など食生活から鳥の生態を紹介する。著者はNPO法人自然観察大学学長。獲物を口にする鳥たちの迫力満点の写真も多数。部屋で野鳥観察気分を味わえる。
★唐沢孝一著 イースト新書Q・1100円=朝日新聞2020年5月21日掲載