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西口彩乃「木のストロー」 若き広報部員の開発 等身大の言葉で

 プラスチックごみの削減につながる、木のストローが注目を集めている。開発したのは木造住宅を手がけるアキュラホーム。プロジェクトに挑んだのは、環境問題にも物づくりにも疎かった一人の広報部員だ。著者は、仕事で知り合った環境ジャーナリストの提案に突き動かされ、「誰も見たことがない木のストローをつくるのは面白そうだ」と、開発に立ち上がる。

 ところが「うちはストローの会社じゃないでしょ!」と社内の役員は猛反対。それでも彼女はあきらめない。「すっぽんみたいだな」と言われてもひたすらあきらめず、協力者を探して前に進む。やがて、熱意に動かされ手を差し伸べる人たちが現れる。薄くスライスした間伐材を使うことは決まったが、巻き方、糊(のり)付け方法など試行錯誤の連続。記者会見の直前までトラブルに見舞われながらも、ついに木のストローが完成した。

 数々の失敗や葛藤、社内外の理解を得るためにどう動いたかなどが、等身大の言葉で綴られている。困難を一つずつ乗り越えていく、若きビジネスパーソンの挑戦の物語だ。仕事への向き合い方から、持続可能なビジネスモデルの構築まで、たくさんのヒントが詰まっている。=朝日新聞2020年11月21日掲載

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