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【検定百景#29】船の文化検定:海のあるところ、船のドラマあり!

(正解は記事の最後で!)

 島国の日本は、多くの地域が海に面しています。そして海の向こうのさまざまな文化と私たちはつながり、船はその橋渡しとして、長く重要な位置を占めてきました。たとえば、日本史においても遣唐使船やペリーの黒船など、文明の発展において船が重要なキーになったことも珍しくありません。

 船にはさまざまな種類があります。ボートやヨット、商船や帆船、またタイタニック号のような豪華客船にいたるまで幅広く、さらには運航方法や船を使った遊びなど、その内包する世界もけっして狭いものではありません。そのような船の世界を学ぶ検定が、今回紹介する船の文化検定です。2008年に第1回の試験が行われ、現在までに受検者は4400人ほどを数えています。

 「船のことは、実はほとんど一般の人には知られていません」と語るのは、検定を運営する日本海洋レジャー安全・振興協会で、企画振興部企画課長を務める青木信仁さん。「たとえば車だと多くの人が免許を所有していますし、そのイメージや動かし方も広く知られていると思うのですが、船だとまず乗る機会そのものが少ない。まず船をできる限り身近なものにしようという思いから、検定はスタートしました」

 どのような問題があるのでしょうか。「たとえば、海の日のもととなる『海の記念日』の由来は何か。海の日が祝日化される前は“海の記念日”だったのですが、それは明治天皇が東北地方を巡行し、その帰途に灯台視察船『明治丸』に乗って7月20日に横浜港に帰ってきたことが由来になっています。天皇が軍艦以外の船で巡行したのは初めてだったので、記念になったんですね」。また、海の日が施行されたのは1996年からで、実は祝日でなかった歴史の方が長いそうです。

 「また、国際航行を行う船舶(せんぱく)が特定国家の主権に属さない公海上を航行しているとき、船上ではどこの国の法律が適用されるか。答えは、その船籍のある国の法律で、例えば日本の港に韓国籍の船が入港したとしても、船上では韓国の法律が適用されるんです。ただし、国連海洋法条約で、他国の領域内ではその領海を有する国の法律を尊重し、これに従うよう求められています」

 船の文化検定は、検定が行われる会場も多く、今年は全国21会場で試験が行われました。海のあるところに、船のさまざまなドラマあり。まずは身近な海で乗れる船を調べるだけでも、ドラマの一端に触れることは可能ではないでしょうか。

例題にチャレンジ!

【問題1】
マリンイベントには無くてはならない存在のマスコットキャラクター、「うみまる」と「うーみん」。では、彼らはどこの出身でしょうか。

1.海上自衛隊
2.水産庁
3.海上保安庁
4.気象庁

【問題2】
コンパスの方位は、その昔、十二支で呼ばれていて、経度を表す子午線もこのことに由来します。では、「辰巳」とはどの方角のことでしょう。

1.北東
2.南東
3.南西
4.北西

【正解】タイトル問題=3、問題1=3、問題2=2