1月16日は「閻魔賽日(えんまさいじつ)」。毎月16日は閻魔様の縁日だそうですが、中でも1月16日と7月16日は、地獄の釜の蓋が開き、閻魔様はもちろん、鬼たちや亡者たちもお休みする日といわれています。「地獄」というと恐ろしいイメージはあるものの、具体的にどんな所なのかは意外と知らないもの。そんな知っているようで知らない、地獄の世界を垣間見ることができるのが「キャラ絵で学ぶ!地獄図鑑」です。
私たちが抱く地獄のイメージのもととなったのは、平安時代の僧侶、源信が記した「往生要集」。そこから数々の地獄絵図が生まれ、絵解きを通して日本中に源信が描いた“地獄観”が広まっていったのだそうです。本書は、そうした地獄に関する基礎知識を踏まえたうえで、死後どんな人がどのようにして地獄に辿り着くのか、「八大地獄」とはどんな場所なのかを“怖カワイイ”イラストを交えて解説しています。
殺生した者が落ちる「等活地獄」や、殺生に加えて盗みを働いた者が行く「黒縄(こくじょう)地獄」など、犯した罪の重さによって落ちる地獄はさまざま。空から刀が降ってきたり熱した銅を飲まされたりなど、各地獄で繰り広げられる恐ろしい責め苦にぞっとしつつも、その種類の豊富さには思わず感心してしまいます。
個人的に絶対に行きたくないのは「屎泥処(しでいしょ)」。八大地獄の一つ、等活地獄のまわりにある「小地獄」や「別処」と呼ばれる地獄で、熱いうんちの海でもがき苦しまなければなりません。さらに「針口虫(しんくちゅう)」というウジ虫がいて、硬いくちばしで食らいついてくるという二重苦。ここへは鳥や鹿を殺した者や食べ物を粗末にした人が落ちるといわれています。
できることなら、どの地獄にも行きたくないもの。地獄行きにならないためには「嘘をつかない」「お酒を飲まない」など仏教の五戒を守るべしとありますが、全てを守り抜くのは凡人には至難の技です……。ひとまず、日頃の行いを懺悔しに、閻魔様をお参りしてみてはいかがでしょうか。