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おいしいもの、どこへでも届けます…!  絵本「デリバリーぶた」ほか子どもにオススメの3冊

「デリバリーぶた」

 「食べたいなあ」とつぶやけば、どんなところにもおいしいものを届けてくれるデリバリーぶた。予想もつかない場所に届けられるのはちょっと意外なおいしいもの。荒波の上にいる漁師さんに焼き鳥。山仕事中の昔話のおじいさんにはアイスクリーム。おひめさまとそこに招かれたお客様(国どころか時代も飛び越えた歴史上の人物たち!)に届けられたものは、きっと誰でも食べたことがあるアレなんです。食べているみんなの満足そうな顔といったら。ああ、おなかがすいてきた!

 食べたいときに食べたいものを食べたい場所で味わえる幸せ。今でこそ宅配の選択肢は増えましたが、これからはぜひ「デリバリーぶた」にお願いしたいなあ。(加藤休ミ作、偕成社、税込み1320円、4歳から)【丸善丸の内本店 児童書担当 兼森理恵さん】

「帰れ 野生のロボット」

 ロボットのロズは、無人島までやってきた追っ手に破壊されて人間社会に連行され、工場で修理される。その後ロズは普通のロボットを装って農場で働きながら、仲間の野生動物たちのもとへ帰るチャンスをうかがう。人間の子どもたちや養子のガンにも助けられてなんとか農場を脱出してからも、次々と困難に襲われる。ロズは無人島に帰れるのか? 擬人化されたロボットの冒険譚(ぼうけんたん)としておもしろく、近未来の人間についても考えさせられる。「野生のロボット」の続編だが、これ1冊でもじゅうぶん楽しめる。(ピーター・ブラウン作・絵、前沢明枝訳、福音館書店、税込み2200円、小学校中学年から)【翻訳家 さくまゆみこさん】

「動物なぜなに質問箱」

 キリンはいつ寝ているか。パンダはなぜ白黒か。ハダカデバネズミの長生きの秘密は? 子どもたちが抱く動物への疑問に真摯(しんし)に答えてくれるのは、元旭山動物園の名物園長。ユーモアたっぷりの絵で語るのは、元飼育係の絵本作家。共に園をもり立ててきた立役者だ。豊富な知識と実体験に裏打ちされた回答は、読者に問い返す。動物それぞれのいろんな生き方が「文化」。どうすれば人間も仲間に入れてもらえるのか。ゆかいな動物学入門書は、あたたかい哲学の書でもある。(小菅正夫・あべ弘士著、講談社、税込み1760円、小学校低学年から)【絵本評論家・作家 広松由希子さん】=朝日新聞2021年6月26日掲載