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和田靜香「時給はいつも最低賃金、これって私のせいですか? 国会議員に聞いてみた。」 臆せず政治を問うことの大切さ 伝える

 自民党の新総裁が決まり、衆院選を控える政治の季節。『時給はいつも最低賃金、これって私のせいですか? 国会議員に聞いてみた。』は、一票へのヒントになる。  

 著者の和田靜香さんは50代のフリーライター。東京都内で単身で暮らし、様々なバイトをしながら生計を立ててきたが、コロナ禍で解雇された。「日本はこれからどうなっちゃうんだろう? 私はここで、どう生きたらいいんだろう?」。そんな不安にとらわれ、当たって砕けろ、で立憲民主党の小川淳也衆院議員に会いに行く。

 今まで読んだことのなかった政治経済の本と格闘し、小川さんと面談を重ねる。人口問題から始まり、税、社会保障、原発、基地と日本を覆う難題を解きほぐす本書は、私目線で、臆せず、恥ずかしがらず政治家に問うことがいかに大切かを教えてくれる。著者の訴えに、小川さんが涙する場面も。

 他人のきれいな花壇を目にして嫉妬で踏みつけそうになった、と著者は告白する。社会を分断させない、という思いを正面から受け止めたい。(吉川一樹)=朝日新聞2021年10月2日掲載