初めてエッセーを出しました。小中高時代のことから芸人としての日々の話までありのままに書きました。僕の身の回りのことですけど、あるあるネタだと思うし、皆さんが共感してくれれば、うれしいです。
本のタイトルは、本当は『後藤』の２文字にしたかったんです。でも、既に同じことを考えていた大先輩がいました。本の名は『松本』。ダウンタウンの松本人志さんです。僕はそのレベルに達していないので、回りくどくしました。次に本を出すとしたら、タイトルは『遺言』ですね。『遺書』だと松本さんのベストセラーのままなので。
四千頭身というトリオで漫才をしています。「お笑い第７世代」という言葉が売れた気がします。ただ最近は、その言葉自体あまり聞かないですね。若手のみんなが第７世代と呼ばれて、僕自身も何も感じなくなりました。その言葉の力を借りなくてもいいように実力をつけないといけない。僕たちも他の芸人さんと同じようにユーチューブ配信をしています。メディアが替わっても、お笑いは生き続けると思うし、この仕事に誇りを持っています。
最近、週刊誌で報道された「うわさ」の彼女がいます。僕が告白して付き合いました。彼女には「自分から告白したのはあなたが初めて」と言っていました。でもこの本には、花火大会後に自分から告白した別の女性の話が書いてある。本を読んだ彼女に「一体どういうことなの」と問い詰められましたが、この本が「うそだ」と言って、怒りは収まりました（笑）。東京・三軒茶屋のタワーマンションに住んでいることも書きました。プライベートなことを隠せないし、隠すことないじゃんと思う。色々とバレバレですが、これこそが後藤です。（聞き手・宮田裕介 写真・横関一浩）＝朝日新聞2021年10月20日掲載
