1. HOME
  2. トピック
  3. おすすめ
  4. 「100万回死んだねこ」 覚え違えた題名への司書の「名推理」に感動

「100万回死んだねこ」 覚え違えた題名への司書の「名推理」に感動

 図書館で本を探す人が司書に尋ねた「覚え違い」の事例をまとめた『100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集』(講談社・1320円)が6刷5万部のヒットになっている。書籍化を思いついた編集者の熱意が実を結んだ。

 福井県立図書館がホームページで公開する事例集が元になっている。編集担当の栗原一樹(いつき)さんはツイッターで事例集の存在を知り、「掛け値なく面白い」。同時に、断片的な情報から本を突き止める司書の名推理に感動を覚えた。「司書の仕事をもっと知ってもらいたい」。思いを込めた手紙を同館に送り、書籍化の同意を得た。

 『わたしを探さないで』『白い器』――。正しい書名を推理する悲喜こもごもは、書店員にも「あるある」だった。熱心な書店での展開がヒットを後押ししたという。栗原さんは「誰もが本にアクセスできることを、司書は保障している」と話す。(川村貴大)=朝日新聞2021年11月20日掲載