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2億150万年前の謎に迫る「大量絶滅はなぜ起きるのか」 佐藤健太郎が選ぶ新書2点 

『大量絶滅はなぜ起きるのか 生命を脅かす地球の異変』

 今回は「絶滅」に関する本を2冊。尾上哲治『大量絶滅はなぜ起きるのか 生命を脅かす地球の異変』(講談社ブルーバックス・1100円)は、今から2億150万年前に、当時の生物種の80%が死に絶えた大絶滅の謎を追う。化石や地層に残されたわずかな手がかりを、丹念に積み上げて真相に迫る研究者たちの姿が印象的だ。現代は第6の大量絶滅期ともいわれており、過去の大絶滅から学ぶべき事柄は多いと感じる。
尾上哲治著 講談社ブルーバックス1100円

『人類滅亡2つのシナリオ AIと遺伝子操作が悪用された未来』

 一方、人類は自らのテクノロジーによって、自らを滅びに追いやりかねないところに来ている。小川和也『人類滅亡2つのシナリオ AIと遺伝子操作が悪用された未来』(朝日新書・891円)は、近年開発された技術の中でも最も影響力の大きな、人工知能(AI)とゲノム編集が持つ潜在的な危険について警鐘を鳴らす。

 AI技術の進展は予測を超えて速く、設計者さえ説明できないほどの高い性能を示すケースも出てきた。その能力が人間の知能を超えた場合、人類がそれを統御できる保証はない。

 またゲノム編集は、難病治療や品種改良に利用可能な優れた技術だが、バイオテロや人間の能力の改変にさえ応用しうる。本書で描かれる事態は絵空事などではなく、すでに始まりつつある現実と感じる。
小川和也著 朝日新書・891円=朝日新聞2023年10月7日掲載