読者のオススメ
辻村深月『この夏の星を見る』
世界中の人達がコロナに翻弄された2020年。天体観測を通して、自分達のこの夏を過ごした子供たちと見守る先生達に泣けました。あの頃どうしていいかわからなかった自分の気持ちも救われた気がします。=しまさん
ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』
「悪人になることがあるかもしれないけれど、善良だったときの思い出を持っておくこと」の大切さを説く三男アリョーシャの言葉が胸に響きます。混迷を極める現代だからこそ、多くの方に読んでいただきたい作品です。=かなこさん@Jo6CWgSpph8zm4y
青山美智子『お探し物は図書室まで』
短編のそれぞれの主人公が人生に迷い図書室に行ったことで生き生きと生きる気づきをもらえるところが良かったです=猫柳鈴音さん
最果タヒ『コンプレックス・プリズム』
文庫版おまけエッセイの『幸せになりたいとかはない』を職場最寄り駅のホームで読み、出勤前に目が潤ってしまいました。本当そう、そうなんだよ、という思いが駆け巡って… 単行本も読んでいましたが、もっと好きな本になりました。=ふっかーさん@FUKKA_Revive
近藤康太郎『百冊で耕す 〈自由に、なる〉ための読書術』
いまさら読書術本読んでもな~と気が進まなかったのだけど、近藤康太郎さんの本だしと購入。歯を食いしばってする読書をしてみたくなった。読む本の種類が変わったという意味で行動と思想に大きな影響を与えた1冊になった=伊藤あかり・かがみよかがみ編集長@koreapa
高野秀行『イラク水滸伝』
イラクのチグリス川とユーフラテス川の合流地点に存在する、謎の巨大湿地帯をめぐる旅をまとめたもの。何の手がかりも確固としたものもないまま、とりあえず動いて、人を探して、次の足がかりを見つける過程が、読んでいて本当にワクワクさせられる。足掛け6年の取材のすべてが詰まっているので、読み応えは半端ない。=ライター・吉川明子さん
メアリアン・ウルフ『デジタルで読む脳 X 紙の本で読む脳』
たぶん今年一番人に薦めた一冊。読書とは、深い読みとは。人間の読字能力についての解説と、ゆえに何をなすべきかが具体的に書かれていて、とても勉強になった。=nbhさん@nbh20191270
このほかのマイベスト本は音声で
- 楊双子『台湾漫遊鉄道のふたり』(中央公論新社)
- 市川沙央『ハンチバック』(文藝春秋)
- 青山美智子『リカバリー・カバヒコ』(光文社)
- 桐島滋『罪深きシリア観光旅行』(産業編集センター)
- 『破果』ク・ビョンモ(岩波書店)
ポッドキャスト「好書好日 本好きの昼休み」では、ここで紹介しきれなかったリスナーのオススメや、編集部メンバーの2023マイベスト本も紹介しています。
中江有里さんの「2023マイベスト本」
- 桜木紫乃『ヒロイン』(毎日新聞出版)
- 今井むつみ・秋田喜美『言語の本質』(中央公論新書)
- 若松英輔『読み終わらない本』(KADOKAWA)
好書好日で「開け!本の扉。ときどき野球も」連載中の中江有里さんが、ポッドキャスト「好書好日 本好きの昼休み」にゲスト出演。今年のオススメを3冊あげていただきました。