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「鞍馬天狗」誕生から100年、大佛次郎の最古の直筆原稿を公開

 作家大佛(おさらぎ)次郎(1897~1973)の代表作の一つ、時代小説「鞍馬天狗(てんぐ)」の誕生から100年を迎えたのに合わせた企画展が、横浜市中区の大佛次郎記念館で開かれている。

 「鞍馬天狗」は1924(大正13)年、大衆文芸雑誌「ポケット」の連載として始まった。戦中、戦後も続き、65(昭和40)年の「地獄太平記」まで47作が発表された。

 今回は、24年のシリーズ2作目「銀煙管(きせる)」の書き損じ原稿が初めて展示された。同館が大佛の遺族から寄贈を受けた直筆原稿の解読を進めるなかで、その一部が「銀煙管」の構想段階のものと昨秋に判明した。現存する大佛の最古の直筆原稿という。

 担当した同館研究室の金城瑠以さんは「大佛直筆の原稿から推敲(すいこう)を重ねた跡が見て取れる。ぜひ見てほしい」と話す。来年1月5日まで。12月29日~来年1月3日は休館。=朝日新聞2024年12月25日掲載