わかるともっともっと好きになる
BTSレジェンド 10曲の歌詞で学ぶ韓国語
音が理解を追い抜き心に直撃してくる瞬間がある。何度か体験した。直近ではこの本の63ページを読んでいる時に。
これは「韓国語学習ビギナーでも大丈夫」をキーワードに、BTSの10曲の歌詞1行ずつに「読み方・文法解説・日本語訳」を添えた初の公式歌詞日本語訳集であり、暗記シート付き、書き込み単語レッスンありの学習書でもある。BTSが書いた歌詞の意味を知りたい、歌えるようになりたい、訳してみたい、学習のきっかけがほしい、そんな方におすすめしたい。
私は学習80日目にこの本を開いた。曲を聴く→文法解説を読む→縮約形やため口に戸惑う→戸惑ったまま単語を追いながら繰り返し聴くという順で読み進めていると、63ページでふいに涙が落ちた。あ……わかった。7人の声が理解より先に意味を連れて心に直撃してきた。紫色に染まった心で強く思った。もっとわかりたい。こうした学習の喜びと興奮、そして人生の言葉に満ちた一冊だ。(本屋itoito・ヨコ)
Welcome to 韓国インスタントラーメンの世界
韓国インスタントラーメンの世界
皆さん、インスタントラーメンは好きですか? 私は好きです。チキンラーメンのチキンと卵の優しいマリアージュ、カップヌードルの謎肉や海老の風味、ラ王の生麺が与えてくれた麺のコシと満足感etc…近年では韓国のノグリやブルダックなどの辛いラーメンを好んでよく食べます。美味しいのはもちろん、何より簡単に出来る!この「韓国インスタントラーメンの世界」は、そんな韓国ラーメンの魅力を最大限に引き出し、丁寧にかつ分かりやすく説明してくれています。ラーメンの起源から各企業の取り組み、いかにして世界へ広がっていったのか。普段、気軽に食べているインスタントラーメン。そこに託された開発者の思いは現代を生きる全ての人にとって支えとなるのではないでしょうか。とにかく読んでいるうちにお腹が減ります。空からラーメンが降ってこないかなと何度も願いました。巻末におすすめラーメン一覧もあります。皆さんもこの本でLet’s enjoy ラーメン生活。(紀伊國屋書店新宿本店・玉本千幸)
いくつめの山なんだろう
表現力大幅アップのための韓国語動詞105を公開します!
初めて購入した韓国語学習の本は10年前「フライト時間でハングルをマスター」みたいな安易なハンドブック。以来本を買っては挫折し、3年前3ヶ月の語学留学をしてから腰を入れて、小さな山登りを繰り返している。宇宙文字みたいだったハングル解読の山、오어, ㄸㅌ,ㅂㅍなど発音の山……平地に出たと思ったらまた山。しんどいとわかっているのにまた登ろうとしてしまうのは、韓国語で話したい友人たちの存在につきる。会うたび伝えたいことが湧いてくるのに、表現する私の語彙力が圧倒的に足りない。やみくもに単語を覚えても埒があかない…と悩んでいた時に出会ったのがこの本。一つの動詞のさまざまな用法が整理されていて幅が広がる。単語自体は初級の基本的なものなので、中級者にとっては良いおさらいにもなる。スミとシアンで目に優しく読み仮名がないところもいい(重要)。例を上げるには字数が足りないので、ぜひ手に取ってみてください。(ブックギャラリーポポタム・大林えり子)
書き手の「好き」に感化されるブックガイド
韓国と本に詳しい45人が “今、どうしても薦めたい本”を選んでみました
かわいらしいイラストと縦長のユニークな造本が印象的な本書には、「読むことで“隣国”が少し近くなる192冊」という言葉が添えられている。世代も職業も異なる45人が、それぞれの経験や関心から選んだ本を紹介する多声的なブックガイドだ。小説や詩、エッセイはもちろん、人文書や歴史書、さらには未邦訳の原書まで取り上げられ、その広がりが読み手の想像を刺激する。
紹介文の多くは、単なるあらすじ紹介ではなく、書き手自身がどのように韓国や東アジアと出会い、思索を深めてきたかが綴られている。文章の端々には、それぞれの読書体験の温度や記憶がにじみ、静かなエッセイのような味わいを生み出している。
本を通して「隣国」を知ることは、同時に自分の文化を照らし返すことでもある。韓国、東アジア、そして本。三つのあいだを行き来する視線が、読者の心に新たな窓を開いてくれる一冊だ。(CHEKCCORI キム・ジヨン)