1. HOME
  2. 書評
  3. 「そっくりぶり」にびっくり

「そっくりぶり」にびっくり

虫から始まる文明論 (知のトレッキング叢書) 著者:奥本 大三郎 出版社:集英社インターナショナル ジャンル:自然科学・環境

価格:1620円
ISBN: 9784797672886
発売⽇: 2015/02/26
サイズ: 19cm/214p

昆虫のツノと建築物の屋根、鳥の羽と寺院の色彩の相似。人間の生活や文化は、虫や鳥などの豊かな影響の中で生まれたものだった…。「現代のファーブル」が豊富な知識と長年のフィール…

評者: / 朝⽇新聞掲載:2015年04月26日

虫から始まる文明論 [著]奥本大三郎

 仏文学者でファーブル昆虫記の訳者として知られる著者は、長年、虫を探して世界を旅するうちに、虫の形や色が、その土地の他の生き物や、そこで暮らす人が作る物のそれと共通するところがあることに気付く。赤、藍、黒の3色が印象的なブラジルのチョウと南米の鳥、しま模様と茶色の組み合わせが似ているアフリカのオカピと大型甲虫など。それらは、まさにその産地の風土を体現していると思う著者は、「人間もその影響を受けないはずがない」という。そこからさらに絵画や小説など、人が表現するものと風土との関係を思索していく。巻頭のカラー写真でみると、別々の生き物の色や模様の“そっくりぶり”に驚かされる。
    ◇
 集英社インターナショナル・1620円