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周辺諸国との交渉から読み解く

琉球史を問い直す 古琉球時代論 (叢書・文化学の越境) 著者:吉成 直樹 出版社:森話社 ジャンル:歴史・地理・民俗

価格:3132円
ISBN: 9784864050784
発売⽇:
サイズ: 20cm/285p

王国成立に至る琉球の歴史は、沖縄本島における「内的発展」で説明しうるのか。沖縄の独自性・独立性を強調するあまり打ち捨てられてきた周辺地域の動態に焦点をあて、琉球史に新たな…

評者:本郷和人 / 朝⽇新聞掲載:2015年06月07日

琉球史を問い直す―古琉球時代論 [著]吉成直樹・高梨修・池田榮史

 沖縄の歴史を論じる時に二つの態度があり得る。(1)他国(日本を含む)との関係に配慮するが、沖縄の内発的な発展を重視する。(2)東アジア諸国、とくに日本との交渉を重視する。本書は(1)を批判して(2)の立場に立ち、グスク時代の始まり(11世紀ごろ)から琉球国への島津氏の侵攻(1609年)まで(古琉球時代という)を再検討する。
 歴史学は科学であり、客観的な考察を身上とする。だが古琉球時代については文字史料が乏しく、日本中世史の通常の分析方法が有効でない。そのため史像の解明には様々な工夫が必要であり、それは時として現代的な思想信条(沖縄は独立すべきだ等)と抜き差しならぬ連関をもつ。
 グスク時代の幕開けは喜界島(奄美群島)からの住民の移住を契機とする。琉球の尚王朝の誕生は倭寇(わこう)の活動の産物である。そう本書は説く。その史像は到底(1)とは相いれないが、まずは虚心坦懐(きょしんたんかい)、こうした説が「ある」ことを知るところから始めたい。
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 森話社・3132円