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酒と美味を愛した昭和の大詩人が綴る滋味深い食エッセイ【逸冊レビュー10月号/お腹がへる本】

「口福無限」 草野 心平・著 あらすじ

 「人間共通の口福に対する貪欲がなくならない限り、食愛による発明は無限に続くだろう。そして大きく展けるだろう。」
梔子や薔薇や牡丹の二杯酢“花肴”、胡麻油粥に金木犀の花びらをふりかけた“心平粥”、鶏卵の黄身の味噌漬け“満月”、海老のしっぽや魚の骨へのこだわり…。
酒と美味を愛した昭和の大詩人・草野心平が、生活の折々に親しみ味わった珍味美肴の数々を詩情で掬って綴る、滋味溢れるエッセイ集。

投稿者 晴耕雨読さん(埼玉県)

 教科書にその詩が載っていた詩人。数十年の時が過ぎて、偶然見つけたエッセー。そのタイトルに思わず食いしん坊の血が騒いだ。一時期、居酒屋やバーも営んでいたという経歴も驚きだったが、山のもの海のもの、草や花までも、その貪欲な食への探求心。
自分でも試したくなるその暮らしぶりや食のヒント満載。

谷原店長のコメント

 食のエッセイといえば東海林さだおさんに開高健さん。詩人の食のエッセイ楽しみですね〜。