冒頭、世界に関する13の質問が登場する。「現在、低所得国に暮らす女子の何割が、初等教育を修了するでしょう?」。20%、40%、60%の3択から評者は20%を選んだ。正解は60%。公衆衛生学の研究者である著者らが行った調査では正解率は7%だった。他の質問も正解率は低い。
勘違いするのは、悲観的に見ようとする「ドラマチックすぎる世界の見方」が人間の「本能」として脳に組み込まれているからだという。
その本能を、「世界は分断されている」と思い込む「分断本能」、「世界はどんどん悪くなっている」と思い込む「ネガティブ本能」等々に類型化。勘違いを排し、正しく判断するよう、「事実に基づく世界の見方」、ファクトフルネスを習慣づける方法を示す。
例えば、低所得国に住むのは世界の人口の9%で、75%は中所得国に住むという事実は、既存の世界観の書き換えを余儀なくさせる。
メディアの責任も問う。「あなたに気づいてもらうために、ドラマチックな話を伝えようとする」と。メディアとかかわりのある評者も自戒。
「この本を読み終えたら」「心が軽くなり」「希望が持てるようになるはず」との記述に納得した。=朝日新聞2019年2月2日掲載
編集部一押し!
-
売れてる本 堀田秀吾「科学的に証明された すごい習慣大百科」 人生を変えうるエビデンス 金哲彦
-
-
とりあえず、茶を。 なにもしない「ながら」時間 千早茜 千早茜
-
-
インタビュー 「僕らには僕らの言葉がある」漫画家・詠里さんインタビュー「歴史の中で、いかにろう者が透明化されてきたのかを知った」 イガラシダイ
-
小説家になりたい人が、なった人に聞いてみた。 文學界新人賞・村司侑さん 先に小説家になった妻に嫉妬。自己憐憫をやめたら書けた「ソリティアおじさんがいた頃」#39 清繭子
-
ミュージシャンたちの読書メソッド cero高城晶平さんが選ぶ5冊 スピノザからベンヤミンに誘われ、ありえた世界の可能性を求めて 李恩知
-
インタビュー 「本とは何か」美学者・難波優輝さんインタビュー「読んでいないときが、実は一番読めている」 阿部花恵
-
トピック 【PR 光文社・創英社・みすず書房・ミネルヴァ書房】プレゼント 朝日新聞1面広告の本、好書好日メルマガ読者計20名様に
-
コラム 「海をわたる言葉 翻訳家ふたりの往復書簡」中江有里さん書評 出逢いの不思議が生んだもう一つの〝家族〟 PR by 集英社
-
トピック 【プレゼント】柄谷行人さん最新作「私の謎 柄谷行人回想録」好書好日メルマガ読者10名様に PR by 講談社
-
インタビュー 平石さなぎさん「ギアをあげて、風を鳴らして」インタビュー 描いてわかった「シスターフッド小説」の魅力 PR by 集英社
-
インタビュー 江國香織さん「外の世界の話を聞かせて」インタビュー 頭の風通し良く、気持ちさっぱり自由になって PR by 集英社
-
インタビュー 【サイン入り本プレゼント】一木けいさん「嵐の中で踊れ」インタビュー 避難所で起きた再生の群像劇 PR by NHK出版