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森見登美彦『聖なる怠け者の冒険』のタマゴサンドウィッチを動画で味わう

「充実した土曜日の朝」を食べる 森見登美彦『聖なる怠け者の冒険』

 「あの小説をたべたい」は、好書好日編集部が小説に登場するごはんやおやつを料理し、食べることで、その物語のエッセンスを取り込み、小説の世界観を皆さんと共有する記録です。

 今回味わうのは、森見登美彦『聖なる怠け者の冒険』。2009年6月~2010年2月に朝日新聞夕刊で連載されていたものを全面改稿して単行本化、さらに文庫化の際にも大幅改稿と、どんどん進化していった作品です。

 京都の街に現れた、正義の怪人「ぽんぽこ仮面」。その跡継ぎとして目をつけられたのが、某化学工業企業の研究所に勤める社会人2年目の小和田(こわだ)君。怠け者を自認する小和田君はグータラな休日を死守すべく、その申し出を断り続けますが、ぽんぽこ仮面をめぐる騒動に巻き込まれていきます。宵山で賑わう京都を舞台に繰り広げられる、長い長い一日を描いた冒険物語です。

「充実した土曜日の朝」を食べる

 ある土曜日の朝、「跡を継いでほしい」と迫るぽんぽこ仮面から何とか逃れた小和田君は『スマート珈琲店』で朝食としゃれこみます。ちなみに『スマート珈琲店』は京都市内に実在する喫茶店です。

 「充実した土曜日の朝は、熱い珈琲とタマゴサンドウィッチから始まる」
 これは研究所の上司、後藤所長の主張である。

 連休中の土曜日の朝、私たちも充実した土曜日を過ごすべく、熱い珈琲とタマゴサンドウィッチを作ってみました。

小和田君は、ぶ厚くてほくほくした玉子焼きがはさまったサンドウィッチと、熱い珈琲を注文した。

 関西の喫茶店のタマゴサンドといえば、玉子焼き系。卵をたくさん使ってだしの効いた厚焼き玉子を作ったら、おいしいパンでサンドしてできあがりです。

 熱々の珈琲は、目覚めの一杯としてブラックがおすすめです。タマゴサンドはボリュームたっぷりで腹持ちもよく、冒険前の腹ごしらえにふさわしい一品でした。