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SHINeeのテミンさん初の写真集 「メンバーからいろんな色を受け、完成したのが今のテミンという人間です」

文:中山理恵、写真:時津剛

――日本語がうまくてびっくりしました。

 日本語の勉強のために、漫画の『ワンピース』を読んだんです。最近はストーリー展開はこうなるとか、伏線を予想する動画を見るほどハマってしまって(笑)。『ドラゴンボール』も僕の人生の漫画ですね。初めて見たアニメが「ドラゴンボール」でした。自分が犠牲になって地球を助ける姿がかっこいい。変身したり、派手に戦うアクションシーンが好きなんです。

――今回テミンさんが出された初の写真集を拝見して、男女が出逢い、つかの間の1日を楽しむ「ローマの休日」のような物語性を感じました。親密で濃密な空気の中にテミンさんの多彩な表情や息遣いが感じられて、ドキドキしました。

 コンセプトは、忙しい生活から逃げ出したテミンです(笑)。昨年、3カ月かけて日本全国のホールツアーとアリーナ公演を巡ったんですが、29公演目の神戸ライブの後でした。「沖縄に行きたい」って強く希望して。撮影前日はスキューバダイビングしたり、美(ちゅ)ら海水族館に行ったりしました。いろんな物を食べて、特にアグー豚が美味しかったです。バケーションみたいな時間でした。この写真集には、僕が楽しんでいる瞬間が収められています。

――沖縄だから、ありのままの姿を取り戻せたのでしょうか?

 2013年のSHINeeの8枚目のシングル「Boys Meet U」のミュージックビデオ撮影以来2回目の沖縄でした。あの時に感じた心地よい空気感をよく覚えていて、あの気持ちのいい沖縄であれば、いまの自分の姿を一番素直に表現できると思いました。撮影だからカッコつけている表情はもちろんありますが、海辺で赤と黒のボーダーの服を着て水遊びする写真とかは自然体の自分です。(ファストフードレストランの)A&Wの近くで夜歩く姿の一枚も、時間に余裕がある時、音楽を聴きながら夜散歩する普段のイメージを込めました。

――写真集全体からカメラマンとの信頼関係を感じたのですが、撮影者の尾身さんとはどんな打ち合わせをしたのでしょうか?

 尾身さんとは2回目の撮影でしたが、僕をリラックスさせてくれてプロだなって思いました。ポーズの指示はなく、名前を呼ばれて僕が振り向く瞬間を撮ってくれたり。友達みたいな雰囲気で会話する中で、僕の楽しい感情を切り取ってくれました。

――テミンさんのアイデアで撮影された写真はありますか? また、写真集という表現方法を通じて再発見できた自分はいますか?

 沖縄ロケが僕のアイデアですね(笑)。あと衣装はスタイリストと相談しながら、コーディネートやアクセサリーを一緒に決めました。再発見は・・・・・・僕は短パン似合うなと(爆笑)。

――写真集ではテミンさんの体のパーツが美しく表現されています。ご自身の好きなパーツと理由を教えてほしいのですが・・・・・・。

 恥ずかしい質問ですね(笑)。背中から肩にかけて、トレーナーさんに筋肉の形が綺麗って褒められました。トレーニングを少しやるだけで綺麗な形になるよって。

――2万枚撮影されたそうですが、お気に入りの一枚、自分らしい一枚を教えてください。

 気に入っているのは、(夜が背景のバストトップ正面顔の一枚を指差して)キメ顔で写りが良かったから、これは写真集に入れてくださいってお願いしました。全体的に目線がある写真が多くないから、目の印象が好きなんです。ただ今見ると、どれも魅力的で一枚だけを選ぶのは難しいですね。自分らしいのは、海辺で遊ぶ数枚です。この笑っている瞬間とか自分のまんま! たまに昔の家族写真を見ると、こういう顔の写真が多いですね。純粋な自分というか、海で泳いだり、マリンアクティビティをしたり、自分が楽しめることをやるとこういう表情になります。

 昔から、海の生き物に好奇心があるんです。海の中には僕の知らない世界が広がっているから、YouTubeでそうした動画を見るのも趣味です。最近はスキューバダイビングの資格をとろうとレッスンを始めています。今回の沖縄が2回目のダイビングですが、エビを見たことが一番楽しかったかな。生きているエビは動きがめちゃくちゃ速いんですよ(笑)。

 今回の沖縄ロケでリフレッシュの大切さを知ったので、これからはちょっとの時間でも旅行に行きたいですね。

写真集『PORTRAIT』(幻冬舎)より
写真集『PORTRAIT』(幻冬舎)より

――昨年は初のソロフルアルバムをリリースして、3カ月間で日本全国18会場32公演のロングツアーをこなしました。ソロアーティストとして精力的な活動を続けるために大事にしている習慣はありますか?

 まず体力管理ですね。10年以上活動してきて、充分に寝る方が効率がよく、長く踊った後は痛む肩や筋肉を回復させることが大事だと経験値から知りました。僕は太ももの裏が弱いから、膝にくるんです。今、踊りをサポートする筋トレも頑張っています。人間的に、毎日が最高のコンディションは無理があるじゃないですか(笑)。でもコンディションが落ちた時に炭水化物をとったり、感情的に良くない時に意識的にスタッフさんに楽しい話をしたりして、早めにコントロールできるようになりました。

 あと、僕はカフェインがないと力が出ないんです。アイス・アメリカーノが好きで、仕事の時は必ず飲んでいます。今年から寒い日は濃いホットコーヒーも飲みますけどね。昨日は3杯、今日はまだ1杯です(笑)。

――パワフルなライブパフォーマンスが進化し続けている裏に、そうした努力があるんですね。昨年のソロツアーで、性格が少し変わったと言っていましたが。

 昔はちょっとの振りの間違いも絶対ダメで、ステージ中ずっと気にしちゃうタイプでした。今も性格的に完全に忘れられないけれど、その失敗までも今日だけ見られる瞬間だって、ファンのみなさんが喜んでくれるんです。僕も他のアーティストのライブに行き、間違えた瞬間が人間らしくて、ライブがもっと楽しくなっていると感じたんです。だから今はポジティブに、これもライブだよねって前よりは早めに切り替えることができます。

――ライブでよく、SHINeeのメンバーとファンが光だとおっしゃっていますね。メンバーから受けた影響を教えてください。

 ファンの皆さんが白い光で、その光の中に色を入れるのがSHINeeのメンバーです。僕もいろんな色をメンバー一人ひとりから受けてきましたし、メンバーがお互いに影響し合う関係です。僕は内向的な性格で、メンバーから影響を受け、周りの人と話せるようになったし、いろんな面で末っ子の僕は助けられました。そうして完成したのが、今のテミンという人間です。

――テミンさんのステージを見ると、内向的な性格とは驚きです。人とのコミュニケーションが苦手で自分に自信が持てなくて、あと一歩を踏み出せない人にアドバイスするとしたら?

 アドバイスするような素晴らしい人間じゃないけど・・・・・・僕は人とのコミュニケーションが恥ずかしくてもいいと思います。それが正直な感情。わざと僕は平気だよ、みたいなふりをしなくていいんじゃないかな。もちろんある程度の感情の管理は必要ですが、もっと自分を見せてもいいと思います。それは難しいかもしれないけれど、周りを意識しだすと自分が本当に何をしたいか分からなくなる。自分もそうです。でも、みんなそれぞれ自分の幸せの瞬間を本当は知っているはず。プライドや出来はちょっと考えずに、楽しさをイメージして、周りを気にせずやろうと伝えたいですね。

――SHINeeのメンバーのオンユさん、キーさん、そしてこの取材を受ける2日前にミンホさんが兵役に就くために入隊しました。見送りに行かれたそうですが、ミンホさんとはどんな言葉を交わしましたか?

 「SHINeeの活動がない間、テミンが頑張ってくれ。信じているよ」と逆に応援されました。最初に入隊したリーダーのオンユさんの時は寂しさがもっと強かったんですが、意外にもオンユさんがちゃんとやる姿を見て不安が少なくなりました。

 キーさん、ミンホさんと続いて、今は心配する気持ちよりメンバーを信頼して、みんながいない間、ちゃんと僕が、僕たちの隣にいるファンのことを第一に考えます。だから、今は健康を大事に、メンバーがいない間は後のSHINeeのグループ活動のために、僕を、そしてSHINeeをより多くの人に知ってもらえるよう頑張りたいです。

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