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アウトドアスポーツ用品販売の老舗が、思想の場を「ひらく」雑誌を創刊

 創業40年余、アウトドアスポーツ用品販売の老舗A&Fが雑誌「ひらく」を創刊した。登山の雑誌ではない。監修は佐伯啓思・京大名誉教授、刊行の辞にいわく「現代文明や日本の思想についての本質的な論議の場所を作り、この混沌(こんとん)たる現代に対する思想的な座標を論じてみたい」。分野横断で問題に向き合い、若い人の登場も歓迎する。

 創刊号の特集は「日本文化の根源へ」と「現代という病」。監修者をはじめ、松岡正剛、又吉直樹、東浩紀、先崎彰容、上田岳弘、荒川洋治、末木文美士の各氏ほか多彩な顔ぶれが並ぶ。

 A&F創業者で「ひらく」発行人の赤津孝夫氏(72)は、紙の媒体を大切に考えてきた。ネット全盛の時代にあって「思慮深さが失われていく」ことを憂え、本誌創刊で「炎上しては消える議論でなく、深く考えるための一石を投じたい」と語る。

 年2回ほど刊行し、次号は11月の予定。2376円。(福田宏樹)=朝日新聞2019年9月21日掲載