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「偏愛的インスタントラーメン図鑑」 あなたはカレー派?ラーメン派?

 2月12日は「レトルトカレーの日」なんだそう。1968年のこの日に世界初の市販用レトルトカレーが日本で発売されたことにちなんで制定されました。雑誌などの特集でカレーとくればラーメンがその引き合いに出されるほど、日本の国民食として人気の両者。実はどちらも、便利なインスタント食品は日本で発明されています。

 そこで今回取り上げたいのが「偏愛的インスタントラーメン図鑑」。著者の大和イチロウさんが実際に食した袋麺の中から、日本の200種、海外の40種を厳選して紹介しています。大和さんは、なんと19歳から「1日1麺」を30年以上続けてきたという筋金入りのインスタントラーメンマニア。インスタントラーメン専門店グループの代表も務めているほどなので、そのデータはかなり信頼できそうです。

 本書は、インスタントラーメンをただ羅列するのではなく、さまざまなテーマごとにランキング形式で紹介しているのが楽しいところ。醤油や豚骨などの味別のランキング(カレー派のみなさん、カレーラーメンもあります)をはじめ、高級路線、ロングセラーなどの切り口が並ぶなか、やはり、ありました、「変態&変わり種」枠。

 北海道が生んだ「ゾンラーメン」が見事1位に輝いていました。スカイブルーのスープに麺という、食欲を根こそぎ奪い去る見た目とは裏腹に、目をつぶって食べれば鶏ガラベースの塩ラーメンがおいしくいただけるというギャップに少しだけ心をくすぐられます。北海道みやげとして、一度は口にしてみたいものです。

 著者の主観によるインスタントラーメンのランキングだけでなく、作り方の極意やアレンジレシピなど、調理する際に役立つ情報もしっかり収録。ラーメン好きなら、手にして損はない一冊です。