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忌野清志郎「使ってはいけない言葉」 残す価値あり、清志郎の言葉

 「日本全体率直さがたりない」。2009年に亡くなった忌野清志郎の言葉だ。名言集『使ってはいけない言葉』(百万年書房・1430円)が命日である今月2日に出た。

 雑誌編集者として親交があった北尾修一さんが「残す価値がある」と思い立った。「話すことに『もっと別の意味があるのでは』と思わせる人だった」と振り返る。著作やライブから集めた本人の言葉のみで構成。すでに重版が決まった。

 検察庁法改正を巡り著名人が声を上げた。清志郎なら、と考える人は多いだろう。ページをめくるとこんな言葉に出会う。「自分がやることがハッキリするんだよね。世の中が最低だっていうことが分かると、じゃ自分が何をするのか」

 ただ、政治的な発言は多面性のある彼の一面に過ぎないと北尾さんは言う。「複雑で詩的で。もっと面白い人ですよ」。未来のファンの入り口にもなる。(滝沢文那)=朝日新聞2020年5月16日掲載