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「ぱんぱかパン図鑑」 バタートースト、塗ってから焼くか、焼いてから塗るか

金子健一「ぱんぱかパン図鑑」(扶桑社)より

 実は当連載「図鑑の中の小宇宙」は、この6月で2周年、そして次回100回目を迎えます。そんな個人的に記念すべき節目を前に紹介したいのが、めでたいタイトルの「ぱんぱかパン図鑑」。つぶやいてみるだけで、なんだか楽しい気分になります。

 本書は、フードユニット「つむぎや」のメンバーである金子健一さんがパン職人としての経験も活かし、食パンやバターロール、バゲットなどのプレーンなパンの食べ方およそ150種類を研究してまとめたもの。「トースト」「サンド」「甘いもの」の3つに大きく分類して紹介しています。

 面白いのが単なるアレンジレシピの紹介にとどまらないところです。例えば、バタートーストでは、18種類に及ぶ食べ方を提案し、その味わいや食感の違いをチャート図にまとめています。パンの厚さや表面に入れる切り込み数の違い、バターを塗るタイミングはトースト前なのか後なのか、はたまたバターを具ととらえてパンの切り込みにインしてみるなど、まさに“研究”という言葉がぴったりです。金子さん曰く、特にバターをしみ込ませるタイミングによって味わいに差があるのだそう。パンそのものの味も楽しみたいならトースト後、バター好きならトースト前にバターを塗るのがおすすめなんだとか。

金子健一「ぱんぱかパン図鑑」(扶桑社)より

 パンを調理する際の基本ポイントや、余ったおかずを使ったアレンジアイデアなど、オリジナルのパンメニューを生み出すヒントもあります。すべてのパン好きに贈りたい一冊です。

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