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木村カエラさん「NIKKI」インタビュー 真面目で適当、日々をありのまま記す

木村カエラさん=宝島社提供

 歌手デビュー15周年にあたる昨年からの約1年間を日記にまとめました。これまで、日記を書こうとノートを買ったことはありましたが、2日で終わるとかで。最後まで書けるか不安でしたが、何とかできました。

 日記は寝る前にスマホにメモしていました。元気や勇気を与える本になればと最初は思っていましたが、日々、悲しいことや腹が立つこともあって。本性をさらけ出さないと何も伝わらないと思い直しました。これまでの木村カエラ像が崩れるかもしれないです。

 あと私、語彙(ごい)力がないので。テレビ神奈川の「saku saku」に出演していたときも、「小児科」を「こじか」と読んだことがあります(笑)。だから、人に伝わる文章にしようとは意識しましたね。曲作りや子どもと過ごすオフの日などをつづっています。

 印象に残る日は、昨年5月21日のライブリハーサルの日。日記にはのどが痛かったと書いていますが、少しバンドメンバーとぶつかってしまったこともあり、とても落ち込んでいたんです。家を出る前、幼稚園の娘に「好きなことを仕事にしてるんでしょ? 頑張って行きなさい」と言われ、ハッとしました。ちなみに、この白黒の写真は娘が撮ってくれたんですよ。

 完成した日記をいま読み返すと、私って真面目で適当な人間だなと思います。「これがいい!」と思ったらやり遂げ、頑固に突き進むんですが、あきらめたときはケロッと気分が変わる極端なところがあります。

 これから20、30周年と重ねるなかで、「人と同じがいや」「自分の世界を大切にしたい」という部分は変えず、どんどん突き詰めていきたいですね。そして何よりもいつも楽しく、笑っていたいなと思います。(構成・森本未紀)=朝日新聞2020年7月15日掲載

木村カエラさんのサイン