大学生の頃、国宝「城和泉守正宗(じょういずみのかみまさむね)」に衝撃を受けたのが著者と刀剣との出会いでした。仕事を辞め、25歳で刀鍛冶を目指して宮入小左衛門行平(みやいりこざえもんゆきひら)氏に入門するも、3カ月で破門。しかし、本気で修業しようと再び親方の門を叩きます。
本書で描かれるのは、給料も休みも自由もない苦行僧のような5年間の修業時代と、4年間のお礼奉公、そして独立後の苦労と活躍ぶりです。アニメ「新世紀ヱヴァンゲリヲン」とコラボレーションするなど、これからの時代へ向けた取り組みも紹介。
周囲がどうあろうと、自分の道を極めようとする姿勢は刺激的。数々の受賞歴を持つ刀剣界の異端児が、刀匠の心意気を綴った初のエッセイ集です。
定価:本体1800円+税 双葉社 03・5261・4818(営業)