1. HOME
  2. トピック
  3. 「音楽×文学」特集
  4. 「OTOGIBANASHI」 音楽×小説、実験的な1冊

「OTOGIBANASHI」 音楽×小説、実験的な1冊

 重松清や皆川博子ら5人の小説家が書いた歌詞をもとに、それぞれが小説を書くのと並行して、「いきものがかり」の水野良樹らが楽曲を制作する実験的な試みが、CD付きの単行本『OTOGIBANASHI』(講談社・3520円)として結実し、10月に刊行された。各楽曲のイメージに合わせて選出された歌い手には、俳優の伊藤沙莉や声優の坂本真綾など多彩な顔ぶれがそろい、五者五様の歌詞と小説と楽曲が収録されている。

 水野が主宰するプロジェクト「HIROBA」の一環で、「音楽と小説を掛け合わせたら面白いのでは」というアイデアが形になった。担当編集者の關(せき)晴奈さんは「『この歌詞は小説のこの部分とリンクしているのでは』と、いくらでも深読みできる作品になった」。楽曲は定額制配信サービスでも楽しめる。「普段小説を読まない人にも音楽から小説を好きになってもらえたら」と關さんは話す。(川村貴大)=朝日新聞2021年12月18日掲載